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その、透明な鎖を
第12章  私の存在理由


ばかなこと、考えてるのかな……私。
パパ、呆れちゃったのかな。

だよね。
――そうだよね。


『私をママだと思ってセックスして』


私が言ってるのはそういうことだもんね。

はしたないよね。
呆れるよね。

やっぱり私、汚いかな。
そんなこと考えちゃう私、汚れてるのかな。


――パパに拒否され続けた私の頭の中は、もうぐちゃぐちゃで。


あんな人間の子供だもんね。
いやらしくて汚い男の子供。

きれいじゃなくて。
むしろ汚れてて。
パパだって、さわりたくなんかないよね。


「う……」


そんなことを思ってしまったら、もう涙が止まらなくて。
ひっく……、と思わずしゃくりあげてしまった。
パパがそれに気付かないわけがない。
私に視線を戻し、戸惑ったように呟く。


「……凛」


その声を聞いて。
私は、ますます感情が高ぶって。
パパの手を自分の胸へと導いていたその手に、もう片方の手も重ねた。

苦しくて、たまらなくて。


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