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その、透明な鎖を
第2章  雨の匂いが


「待って……」


顔を背けて悠斗の唇から逃れた凛が、呟くように言葉を発した。

でも彼は。
彼女に、触れたくて。
その手を止められない。


「悠斗、っ……」


腕を、ぎゅっと掴まれる。


――はっ、と。
そこで悠斗は我に返って。


「……っ、ごめん!」


すぐに手を引いて、凛から離れる。


「ごめん、凛……!」



――俺は何をしたんだ。
いったい何をしようとしたんだ。

……っ、最低だ――――。



少しの沈黙が、そこに流れて。


「……もう、行かなきゃ」


耐えられなくなった悠斗はそう呟くと、無意識に手から離してしまっていた自分の鞄を拾って。
その汚れを手で払いながら、呟く。


「ほんとにごめん」


彼はもう、彼女が見られなくて。


「悠斗」


彼女の声はいつものそれだったけど。
彼はそのまま橋の下を出て。


「月曜も待ってるから……!」


その言葉にも振り返れなくて。



……いつの間にか。
あの激しかった雨は止んでいた――――。




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