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その、透明な鎖を
第14章 泣きたくなる
凛の告白。
言われたことの、どれぐらいを自分は理解できたんだろうかと。
そんなふうに悠斗は思う。
あまりにも重かった、それ。
――凛。
どれほどのつらさを、凛は、いったい。
こみ上げてくる感情は、彼女を責める類のものでない。
ただ、彼女が。
凛の気持ちが、切なくて。
はあっ、と。
思わず息を漏らした彼に、彼女も気付く。
「悠斗……?」
何でもない、と首を振った。
凛も、それ以上は追及しなかったが、その代わり
「……ごめんね」
そう、彼に。