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その、透明な鎖を
第14章 泣きたくなる
「そのときはちゃんとそれを受け入れようって決めてたの。
龍とのこと、認めて。『私は好きだなんて言ってない』『ただの遊び』それだけ言って、終わらせようと思った。私を悪者にして、憎んでくれればいいと思った。だって悠斗はこれっぽっちも悪くないんだから。
……だから。だからそれまで悠斗といさせて、って。それまで、龍以外の人のこと考えること、どうか許して、って――――」
「凛……」
「なのに、いざとなったら……っ……」
凛が、声を詰まらせる。
「私、そんなふうにできなくて……結局、全部悠斗に話しちゃって……。
……だって、だって私、悠斗のこと。あのときよりもっと好きになってて。これでもう終わっちゃう……終わっちゃうの? って思ったら、勝手に口が動いてて……。
それなのに、話をしたらしたで……やっぱりもうだめだって感じた。こんな話、重すぎるに決まってるのに。もう本当にこれで終わった、って――――」
「凛!」
彼女の言葉を、少し強めの口調で悠斗は遮った。
「終わらないよ……!」
終わらない、と。
何度も繰り返し呟く。