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その、透明な鎖を
第14章 泣きたくなる
「……私なんて、自分で決めたことさえ、ちゃんと守れない人間なのに……?」
それでも、彼女の言葉は終わらない。
そんなふうに、また自分を責める。
「凛――――」
「……私は龍のために生きる、ってもう決めてたのに、悠斗とこんなふうになって。龍との関係が知られるまでこうやって悠斗といたいって思って。
でも、知られたら、今度は終わりたくない、とか……私って、最低。もうやだ。なんで自分で決めたこと、守れないんだろ……っ……」
悠斗の胸元に顔を埋めたまま、シャツを握る手にさらに力を込める。
悠斗は、そんな凛の頭を撫でるように支えて。
そうして、静かに言った。
「……そんなの、当たり前だよ。
好きな気持ち、そんな簡単に止められるわけないじゃん」
――たとえ、頭でどう思ったとしても。