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第14章 　泣きたくなる

「俺と別れろとか言われたの？」

「っ、龍はそんなこと――――」


首を振ってそれを否定する凛。


「……だろ？　俺、凛の話でしか龍さんのことわかんないけど。それでも、凛のことをすごく大事に思ってる人だ、って印象しかない」


凛は黙ったまま、悠斗の言葉を聞いて。


「凛が龍さんのために生きるってそう決めたいきさつは、聞いたとおりだろうけど。
そしてそれを龍さんが受け入れて……そういう関係になったのは、分かったけど」


――そしてその関係がいいとか悪いとか。
当時まだ出会ってもいなかった自分には、何も言う権利などないけれど。


「……もう、充分なんじゃないの？」

「え……」

「凛はもう、龍さんを充分支えたんじゃないか、ってこと」

「悠斗……」