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その、透明な鎖を
第14章  泣きたくなる


「だってそうじゃん……たった15歳でだよ?
まだ中学生だったのに、全部自分で背負おうとして。生まれとか、実の親だと思ってた人からされたこととか、龍さんを救うためにお母さんの身代わりになろうとしたりとか」


ひとつひとつそれらを口にするたび、悠斗の胸の中が、苦しくなった。


「そんな重いもの、ずっと背負ってさ。
好きな相手ができても、最初から終わりを覚悟してとか、そんなの――……」


声が、詰まる。
どうしようもなく、泣きたくなる。


口にすればするほど、彼女を縛りつけているものの多さを実感する。
罪悪感、自己嫌悪、自己否定。そして諦め。
自分という存在の意味を、そこにしか見い出せず。
その華奢な身体に、すべてを背負って。
暗い想いに溺れそうになりながら、それでもやっぱり。

……やっぱり、彼女は綺麗で。


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