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第15章 　凪のよう

「んっ」


そしてその甘い香りと味のする彼女の唇をそのまま奪った。
つけているグロスをすべて舐めとるかのような勢いで、激しく。


「んっ、ん――……」


凛の漏らす声さえも、甘い。
たまらず、彼は彼女の口内へと舌をねじ込むようにして。


「……っ、だめ、っ」


彼女は身を捩り、腕で彼の身体を押して舌からも。
唇からも、逃れる。


「……お風呂、見てきてから」


ね？　と彼を見て、その身体から離れた。

バスルームへと消えた彼女。
悠斗は、苦笑しながら、天井を見上げて。


――ああもうマジで可愛すぎんだけど。


はあ……と、溜め息をつくと。


「悠斗」


そこから姿を見せた彼女が、彼を呼ぶ。