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その、透明な鎖を
第15章 凪のよう
「女の子と付き合うのとか、おうちの人あんまり厳しくないの?」
「まあ『責任取れないようなことはするなよ』って念は押されたけどね。あんまりうるさくないかもしんない。
警察沙汰だけは勘弁して、とはいつも言われてるけどね。あとはけっこう自由にさせてもらってるかな。ちゃんとやることやってたら、それでいいってかんじ?」
「いいね、そういうの」
「……でも、姉ちゃんが」
「え?」
「その日の夜、俺の部屋に来てさ。
『彼女どんな子?』なんて聞いてきて」
「お姉さん、いくつ上?」
「3つ。もう働いてる」
「いいね、きょうだいって。楽しそう」
その言葉に、彼は少し笑って。