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その、透明な鎖を
第17章 遠くへ
「悠斗、明日も来られる?」
凛がそう尋ねると、悠斗は頷いた。
「ん、行くよ」
「じゃあまた……明日、ね」
「うん。明日」
ふたりが、駐車場の方へと歩き出す。
悠斗は目を逸らすようにして、その反対方向へと歩き出した。
下を向いて歩きながら、無意識のうちに唇を噛んで。
「……っ」
凛と、龍……ふたりが一緒の姿を目の当たりにした、悠斗。
――行かせたくなかった。
家に帰らせたくなんかなかった。
……でも、どうにもできなかった。
溜め息が、出た。