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その、透明な鎖を
第17章 遠くへ
「龍!」
そこまで話したとき、凛が姿を現した。
「家にかけたら留守電なんだもん。まさかもう来てるなんて思わなかった」
そう言って、龍に笑いかける。
「楽しかった?」
「うん、すっごく」
「そう」
彼も、微笑んで答えて。
「悠斗君、よかったら乗っていく? 家まで送るよ」
悠斗に視線を向けて、そう誘った。
「そうして、悠斗」
凛も勧めてきたが、悠斗はそれを断る。
「ありがとうございます、でも、大丈夫なんで」
「そう? 遠慮しなくていいんだよ?」
「いえ、本当に」
「そう……」
じゃあ、と。
龍は凛を促して。