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その、透明な鎖を
第18章 すべてを知るために
翌日。
学校が終わると、悠斗は凛の家に向かった。
9月に入り、今日からバイトは土日のみになった。
平日の、月・火・木。
部活のないそれらの曜日は、凛とゆっくり過ごすことができる。
本当なら、気分も高まっているはずだけれど。
今日の彼はそれよりも、夜の龍との約束のことで頭がいっぱいだった。
それは、凛と会っていても変わらなかった。
どこか上の空な彼に彼女は不思議そうに、どうかしたの? と問いかけてきて。
彼は、旅行気分がまだ抜けなくて、と誤魔化した。
――そうして、時間は過ぎ。