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その、透明な鎖を
第18章 すべてを知るために
「これから先それを知ってだめになる関係なら、今、そうなった方が。
……その方が、あの子の受ける傷はまだ浅くて済む」
「俺は……!」
悠斗は思わず口を挟んだ。
「……っ、俺は絶対。
絶対凛を嫌いになんかなりません」
龍を、真っ直ぐに見て。
「だから話してください。
……何を聞いても変わらないですけど」
「悠斗君……」
彼も、悠斗の視線を受け止める。
「――わかった」
悠斗から視線を逸らし、龍は手元のコーヒーを開け、ゆっくりと一口、飲む。
そのまま、視線を手から離さずに。
少しの沈黙のあと、小さく何回か頷いて。
「……うん、じゃあ、順を追って話すよ」
悠斗の喉が、ごくりと鳴った。