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その、透明な鎖を
第19章 語られたこと
「俺には、その男と凛が、どうしても結びつかな
い。話を聞いても、いや……聞けば聞くほど、結びつかないです」
なぜだろう。
こんなに、詳しく話されたのに。
それどころか、むしろ話されたからか、と。
「……俺、うまく言えないですけど。
そんな状況なのに、それでも凛が産まれることを望んでくれて、凛を産むことを決めてくれて……龍さんたちにすごく感謝してます……」
悠斗はその感情に自分でも戸惑う。
それはとても不思議な感覚だった。
「だって、凛がいてくれるから。凛が産まれてきてくれたから」
けれど、こみ上げてくるその思いのままに。
「俺は今、すごく幸せなんです」
そう、答える。