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その、透明な鎖を
第19章  語られたこと


「悠斗君」


そして龍は、悠斗に問いかける。


「君はどう思った?」

「え……」

「凛が産まれるまでにそういうことがあったと知って。凛の父親……なんて言葉は使いたくもないけど。その男がしたことをこうやって聞いて、どう思った?
出生など関係ないと君は言ったそうだけど。詳しく知った今、それでも関係ないと言い切れる?」

「……っ、言い切れます――――!」


即答、だった。
その言葉は勝手に悠斗の口をついて出てきて。

その男に対して思うことは多々ある。
それでも、それが凛とはどうしても結びつかない。
どう考えても、ふたりを繋げて考えることができない。
凛の親は、あのアルバムで見たふたり――そうとしか、彼には思えない。


「俺の気持ちは変わらないです」


そう、呟く。


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