この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
その、透明な鎖を
第19章 語られたこと
「悠斗君」
そして龍は、悠斗に問いかける。
「君はどう思った?」
「え……」
「凛が産まれるまでにそういうことがあったと知って。凛の父親……なんて言葉は使いたくもないけど。その男がしたことをこうやって聞いて、どう思った?
出生など関係ないと君は言ったそうだけど。詳しく知った今、それでも関係ないと言い切れる?」
「……っ、言い切れます――――!」
即答、だった。
その言葉は勝手に悠斗の口をついて出てきて。
その男に対して思うことは多々ある。
それでも、それが凛とはどうしても結びつかない。
どう考えても、ふたりを繋げて考えることができない。
凛の親は、あのアルバムで見たふたり――そうとしか、彼には思えない。
「俺の気持ちは変わらないです」
そう、呟く。