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その、透明な鎖を
第19章  語られたこと


「……どうして?」


静かな龍の問いに、悠斗は下を向いたまま答えた。


「……おととい、見ました。
凛の身体に、キスマーク、ついてた」


ああ、と。
思い当たる節があるような言い方を。


「そうか……ごめん。気をつけるよ」


――気を、つける?


悠斗はその言葉に敏感に反応する。


「それって、これからもそういう関係を続けるってことですか」

「え?」

「これからも凛を、桜さんの身代わりとして抱き続けるってことですか」

「悠斗君――――」

「……っ! 嫌です!」


そう、思わず声を上げてしまう。
自分でも驚いてしまったほどの、その沸き上がってきた感情。


「……だって、凛は、俺の彼女です! 俺以外の人とそういうこと、してほしくない……!」


止まらない。
その感情は、一度口にしてしまったら、堰を切ったように溢れ出す。


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