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その、透明な鎖を
第19章 語られたこと
黙って聞いていた悠斗たったが、たまらなくなり思わず深く息を吐く。
それを押さえるように口元に伸ばした手は震えていた。
――なんだよ、これ。
龍と、凛。
ふたりの絆は、あまりにも強すぎる。
お互いが、お互いを救いたくて。
そうして、ふたりは身体を繋げたのだと悠斗は知り。
――こんなの、俺が。
俺の方が、ふたりに横入りしただけじゃないか――――。
「聞きたくなかったかな……ごめん」
龍はそんな悠斗の様子に気づいて。
けれどその言葉に悠斗は首を振る。
違います、すいません、と呟いた。
大丈夫だから続けてください、と。
「……わかった」
そうして、龍が一呼吸置いた隙に、その手をもう片方の手で震えを押さえるように握る。
聞かなければ。
ちゃんと最後まで聞かなければ、結論なんて出せない。
……自分に、そう言い聞かせる。