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第19章 　語られたこと

「そうしてオレは、あの子を受け入れた……凛が望むように、最初のうちは抱きながら桜を思った。
オレ自身、それに救われたところもある。否定はしないよ」


けれど……と。


「次第に、凛の方からオレを求めることが多くなった。
そのたびにオレは、凛が望むように桜の名を呼びながら、凛を抱き続けた。
凛が、オレとの関係に縋っているのは明らかで。
だからその度に、凛がいるからオレはこうして生きていられる、と伝え続けた。
凛はとても嬉しそうに笑うんだ。『よかった、龍の役に立てて嬉しい』『私も龍がいるからこうしてここで生きていてもいいって思える』そんなふうに言うんだ――――」


どうしてだろう、と悠斗は思う。
龍の話を聞けば聞くほど、凛が愛しくて。たまらなくなる。
その健気な想いも、言動も、何もかもが。