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その、透明な鎖を
第19章 語られたこと
「あの子にとって君は必要な存在だよ。間違いなく」
「龍さん……」
「さっきも言ったけれどオレは凛に従うのみだ。
凛がオレとの関係を終わらせたいなら、終わらせる。続けたいなら、続ける。
……凛の気持ちを尊重したい」
「自分の気持ちとは反することでもですか?」
「……オレは凛のために生きてる。オレにとってあの子はもう絶対なんだ」
迷いのない言葉だった。
それを聞いて悠斗も。
「俺、凛に俺だけを選んでもらいたい……。凛は俺を好きだと言ってくれた。俺も凛が好きだから。だからもうこれからはずっと俺ひとりのものでいてほしい、です……」
龍は、小さく頷く。
そして。
「言っただろう? 凛がそう望むなら。凛が幸せになれるなら、オレはもうそれだけでいいんだ」
悠斗を、見て。
微かに微笑んでその言葉を。