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その、透明な鎖を
第19章 語られたこと
「話してみるよ」
「え……」
「凛には今、悠斗君がいる。オレのことだけを思ってオレとの関係を続けているのならもうそれはいいんだよ、って。そう凛に話してみる」
「……っ、でも、龍さんだって……龍さんだって本当は――――」
「オレは一生、桜だけだから」
悠斗の言葉は遮られる。
「凛は大事な子だ。愛してるし、幸せになってほしいと心から思う。
……でも、桜とは違う。桜に抱いたようなあの感情は、これからだって誰にも抱けない。オレには桜しかいない。桜だけなんだ」
そうして、龍は彼を見て。
「悠斗君」
「……はい」
「君の心は変わらない? 凛に対する気持ち。今も。これからも変わらないって言える?」
その問いを。
「言えます」
悠斗は、即答する。
「俺には凛しかいません――――」