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その、透明な鎖を
第20章 答えなど、はじめから
翌々日の夜。
悠斗は、龍に指定されたその時間に彼の家へと行った。
静かに玄関のドアを開ける。
言われていたとおり、鍵はかかっていなかった。
そのまま、凛の部屋へと向かう。
ドアが部屋側に少し開いていて。
そこからそっと中を覗くようにした悠斗の視界に入ってきたのは、ベッドに腰かけている凛。
位置を変えると、壁に寄りかかるようにして立っている龍の姿も見えた。
「どうしたの? あらたまって」
凛が、小首を傾げて龍に尋ねる。
悠斗はドアから離れた。
それでも、話し声はよく聞こえる。
「ん?」
それに答える、龍の声――――。