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第20章 　答えなど、はじめから

「私、やっぱり悠斗から離れたくない。ごめんなさい、って思いながら、でもその手を離したくないの。だから悠斗がこのまま何も言わないでいてくれたら、なんて思っちゃってる。ほんと、狡いの。
……狡いけど、悠斗が私を求めてくれるのが嬉しくて。それ、できれば失いたくない――――」


――凛……？


悠斗はその言葉に敏感に反応した。
何だろう。彼女の言葉に、何かがひっかかって。
けれど、よくわからないまま……そのまま、彼らの話にまた耳を傾ける。


「……悠斗君だって、きっと同じだよ」

「龍……」

「だから今も、変わらず凛のそばにいてくれるんだろう？」


言葉を、凛は黙って聞いていた。
けれど、やがて小さく呟くように。


「龍……ごめんね」


そんなふうに、彼に謝る。