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その、透明な鎖を
第20章 答えなど、はじめから
「……凛」
いつの間にか凛の慟哭は止んでいて、時折しゃくりあげる程度になっていた。
そして、聞こえてきたのは龍の声。
「少しは、落ち着いた……?」
ぎしっ……と。
ベッドの軋む音も。
「ん……」
微かな、凛の声が聞こえて。
続いたのは、衣擦れの音。
息を深く吐く、その気配。
また、ベッドが軋んで。
「……ん、あ……」
それに合わせた、声が。
「あ……あっ、龍……あ」
次第に激しくなるその声は、行為が再開されたことを悠斗に伝えた。
ごくり、と唾液を飲み込んで。
見ない方がいい――そう、頭の中で確かが言っている。
けれど、ふらふらと。
何かに導かれるかのように彼の足は戻り、再び、その隙間から。