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その、透明な鎖を
第21章 普通って
「ショック、ですけど……まだ、頭がよく回ってないのかも」
悠斗は結局、それだけを口にした。
龍は軽く頷いて、それから再び口を開く。
「ごめん、悠斗君」
突然そう言ってきた龍に、悠斗は。
「君の願いは叶えてあげられそうにない」
そう、はっきりと続けられた言葉に、途端にずきん、と痛む胸。
それでもそれを押し殺して、彼は。
「……わかってます」
そう、答えた。
自分のこの目ですべて見て。
自分のこの耳ですべて聞いて。
それでもなお――と願うほど、悠斗は愚かではなかった。
「俺、凛の方があんなに龍さんに縋ってたなんて……思わなかった」
ぽつりと、そう続けて。
「……そうだね。あそこまでとは思ってなかったから、オレも少し驚いたかな」
龍の言葉に、悠斗は再び口を開く。