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その、透明な鎖を
第3章 いいこと
汗ばんだ彼の背中に、そっと彼女の手が回された。
「ごめん、凛」
「ん……?」
「また俺ばっかり、気持ちよくて……」
「私だって気持ちいいよ?」
「ほんと?」
弾かれたように彼は顔を上げ、彼女と目を合わせた。
凛はまた、くすっ、と笑って。
「ほんと」
くすくす、と。
彼女の可愛いその笑顔に、彼もまた笑って返す。
そしてふたりは、時間と身体の許す限り、触れ合って、キスをして。
そして、抱き合う。
……ずっとこのままでいられればいいのに、と。
思わずそんなことを願ってしまうぐらいの時間だった――――。