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その、透明な鎖を
第4章 その季節が訪れるまで
辿り着いた、橋の下。
誰も来ないようなその場所の、さらに奥。
ここは、ふたりがひっそりとその欲望を絡め合うときに、時々使われる。
日差しが遮られた、少し暗いその場所。
ぐいっ、と。
その手を強くひいて、彼は彼女を抱き寄せる。
「凛が悪い」
そうひとこと、呟いて。
唇を合わせた。
「ん……」
凛の、微かに漏れる声。
何度も、何度も触れ合わせ。
たまらなくなると、互いの舌をも絡めて。
「は……あっ」
ちゅくっ、と。
彼は彼女のそれを吸い、上顎を舌先で擦る。
「ん、ふ……」
……口づけした数など、とうに忘れた。
唇を触れ合わせるその行為に、身体を繋げられないもどかしさをひたすら込めるかのように、ふたりは会う度に何度も口づけあっていた。
凛の気持ちのいいところ。
そこを擦ると身体を捩らせるようにして、彼に快感を知らせる彼女のその癖。