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その、透明な鎖を
第5章 夏が始まる
凛の家に着いたふたりは、まっすぐに彼女の部屋へと向かった。
悠斗が買ってきた昼食はすぐにテーブルに置かれ、その存在を一瞬にして忘れたかのように、ふたりは抱き合って、唇を重ねる。
最初から舌を絡めた深いその口づけ。
ずっと、我慢していた。
お互いに、この日が来るのを待ちわびていた。
その想いは、もう止められなかった。
もつれ合うように、ベッドに倒れ込む。
言葉もない。
口づけを交わす、その合間に発せられる互いの荒い息だけ。
唇から漏れる、ぴちゃぴちゃというその水音だけ。
……それだけが、室内に響いて。
唇を離し、上体を起こした悠斗は自分のシャツのボタンに手を掛ける。
凛も、横たわったままブラウスのボタンを外した。
脱ぎ捨てたシャツと、胸元が開かれたブラウス。
再び彼は彼女に覆い被さって。