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蛇神様の花の宴
第6章 150127ピックアップお礼SS
室内に艶かしい吐息が響いていた。
赤毛の少年が、おかっぱ頭の少女の着物に手をかけている。
少女の方も噛みつくようなキスに応えながら、特に嫌がる素振りはない。
犬神の小太郎と、その巫女である楓の二人だった。
彼らは畳の上でもつれあい、もどかしそうに互いの衣服を剥いでいく。
「小太郎!」
遠くから聞こえた声に、びくっと少年の肩がひきつる。
暗夜の声だ。
少年は暗夜を無視して、そのまま行為を続けようか迷った。
だが再び名を呼ばれる。
暗夜はこっちへ近づいてきているようだ。
「だーっ、もう!」
小太郎が立ち上がる後ろで、楓が着物を整える。
「何なんだよいいところで!」
まだ赤い顔をした小太郎は、ドスドスと足音を立てて出ていった。
無口な楓も大人しく後を追う。
二人と入れ替わるように、穂波が部屋にやってきた。
彼はスタスタと中に入り、奥の襖をスパァンと開ける。
「……で、雪影はそこで何してんの?」
狭い押し入れの中には、雪影がいた。
その腕の中には、口を押さえこまれた美鎖がいる。
「おや、バレましたか。新しく趣向を凝らして、他人の性交渉を鑑賞しようかと。こちらは楓に見せたことがありますし、問題はないでしょう?」
美鎖はぶるぶると首を振っている。
穂波は大きく息を吸った。
「雪影の変態!!!」
「あれ、今、穂波の声が聞こえなかった?」
「気のせいだ」
小太郎の問いに、暗夜はすげなく返した。