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第10章 ドラゴン兄貴

「サジュリエは、覚悟してたです」

むしろ、自ら命を差し出すべきか悩んでいたらしい。

妹が死んだ時、エレーレは正直、許せないと思ったそうだ。
いくら本人たちが納得して迎えた結末だったとしても、残される肉親としては受け入れがたかったのだろう。

その抑えきれない感情は、一番上の兄、ゼイファンギースが暴れたことで消えた。

壊滅した町を見て、エレーレは溜飲を下げることにした。
人間たちに同情はしないが、かといって恨むこともやめようと思ったのだという。