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お姫様はドラゴンにさらわれました
第11章 怪我人には優しくしましょう
ヒールダートの目がイタズラっぽく光った。
「エレーレ、ゼイが近くまで来てないか見張りに行ってくれないかな。出来れば、朝まで」
「わ、わかったです」
ヒールダートの狙いに気付いて、私は慌ててエレーレを呼び止めた。
「すごい雨だし、もう少し弱まるまで待ったら?」
「だ、大丈夫です。エレーレ、雨は得意です。こ、こんな状態で、ゼイお兄ちゃんに見つかる方が、こ、怖いですし」
少女はさっさと外套を羽織直す。