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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第2章 恋の唄
 緋色に、或いは黄金色(きんいろ)に、思わず眼を奪われるような際立った色彩が徳姫の瞳の中で燦然と輝く。西の山際の向こうに、今しも巨大な太陽が沈みゆこうとしている。早朝、東の空を紅(くれない)に染めて昇りゆく朝陽と同様に、黄昏時の日没もまた、見る者をどこか厳かな心持ちにさせる。
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