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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第1章 始まりはいつも雨
氏家が容易に他人を信じず、心を開かないのには、こうした背景があったのである。その氏家の心を動かし、信用を得るためには、邦昭は氏家の妻殊子と誼みを通じる必要があると考えた。
孤独な将軍は、天皇家から迎えたやんごとなき妻をただ一人の家族と見なし、この妻にだけは心を寄せているといわれている。殊子に近付くためには、まず、殊子の従妹である徳姫を娶らねばならない。邦昭からの突然の求婚には、このような一連の経緯があった。
孤独な将軍は、天皇家から迎えたやんごとなき妻をただ一人の家族と見なし、この妻にだけは心を寄せているといわれている。殊子に近付くためには、まず、殊子の従妹である徳姫を娶らねばならない。邦昭からの突然の求婚には、このような一連の経緯があった。