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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
「姫さまは、これから、どうなさるおつもりなのでしょう?」
唐突に問われ、徳姫は返答に躊躇った。
「私も蓮心尼さまのご意見は的を射ているように存じ上げました。初めて真の恋をされた邦昭さまは、恐らく、どのように姫さまに接すれば良いのか途方に暮れていらっしゃるのでは? 姫さまのお心が靡かぬのに業を煮やして、あのように性急に事を運ばれようとなさったのでございましょう。流石は美にして賢と讃えられたおん方だけはあられます、実に鋭い観察眼をお持ちでおわしますね」
唐突に問われ、徳姫は返答に躊躇った。
「私も蓮心尼さまのご意見は的を射ているように存じ上げました。初めて真の恋をされた邦昭さまは、恐らく、どのように姫さまに接すれば良いのか途方に暮れていらっしゃるのでは? 姫さまのお心が靡かぬのに業を煮やして、あのように性急に事を運ばれようとなさったのでございましょう。流石は美にして賢と讃えられたおん方だけはあられます、実に鋭い観察眼をお持ちでおわしますね」