この作品は18歳未満閲覧禁止です
姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
短い沈黙が落ちた。
やがて、保邦がふっと笑った。いつもの彼らしくない自嘲的な笑みだ。
「申し訳ありません。この胸の想いは、誰にも告げずに、ひっそりと去るつもりでした。むろん、あなたにも。しかし、あなたがこのような歌を書くものだから、愚かな私はつい期待してしまったのです。恋をしているのは私だけではなく、あなたも同じではないか、あなたも私と同じように私を男として見ていて下さるのではないかと一人で勝手に夢を見ました」