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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
 この地で顔を見たくないと思うほど厭わしい男の妻として、心を殺しながら生ける屍のごとく生き存えるよりは、ほんのいっときでも生命を燃やして生きる方がよほど良い。
 徳姫が誘惑の声に誘われるように、保邦の手を取ろうとしたまさにその時。
 それまで隣室に控えていた葛木が姿を見せた。葛木には襖は閉めていても、この部屋でのやりとりはすべて聞こえていたはずだ。
 知っていて、わざと知らぬふりをしていたのだろう。徳姫の意思を何よりも尊重すると言ってくれた葛木だった。
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