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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
 葛木が襖を開けて手をつかえる。一礼し、膝行して徳姫に近付いた。
「姫さま、表より火急の遣いが参りまして、今宵、殿のご寝所に上がるようにとのご命にございます」
「―」
 徳姫は声を失った。
 幾ら声を潜めていても、すぐ傍にいる保邦には聞かれてしまっただろう。
 保邦が悔しげに唇を噛み、うなだれた。
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