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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
 事が終わった後、邦昭は意外なほどあっさりと眠りに落ちた。徳姫もその夜はほどなく眠りの底に引きずり込まれ、次に目ざめたのは、傍らで人の動く気配がしたからであった。
 褥に身を起こすと、既に邦昭は起き出していた。徳姫は自分も夜着を纏い、傍らに落ちていた邦昭の夜着を拾い上げ、立ち上がって背後からその背に着せかけた。
 邦昭が振り向く。その面には軽い愕きの表情がひろがっていた。
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