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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
雪が、降る。
はらはらと薄紅色の八重の花に降りかかる。緑の葉に薄く純白の雪が積もってゆく。
深緑色の鳥がどこからともなく舞い降りてきて、雪を載せた桜の枝に止まった。
まさに、一幅の絵画を見るような光景だ。
「―鶯」
徳姫の呟きに、邦柄もまた視線を巡らせる。
降りしきる雪の中、二人はいつまでも鶯を見つめていた。
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