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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第1章 始まりはいつも雨
 登美子は三条卿の北ノ方(正室)腹の姫であり、その美貌と利発さゆえに、父に将来を早くから嘱望され、十二歳で帝のご生母宜陽門院の女童として大宮御所に上がった。宜陽門院の許に行幸になった帝が既に一人前の女房となっていた登美子に眼を止められたのが、登美子十七歳のときである。その直後、帝の強い意向で典侍に抜擢され、禁中に移り住んだ。
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