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第4章 サヤの涙

――…

「それでも教師か!?」

そんな真っ当な非難など熊谷の胸には全く響かない様子で、サヤはこの教師がセクハラで有名だったことを今さらながら思い出す。

教師を続けていられるのは学園長の弱味を握っているからだ、という噂が真しやかに囁かれるような熊谷を、なぜ一瞬でも本気で頼ろうとしたのだろう？

サヤが頑なな態度を崩さずにいると、
「そうだよな、後輩より自分の処女の方が大事だよなぁ？それが当たり前だよ、うん。ああ大丈夫、この件は兎野本人とジックリ相談するから。ほら、お前はとっとと帰れ」
と言い出した。