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限界Lovers
第12章 遥斗の過去
「みなみの初恋っていつ?」
「幼稚園の時…」
「早いな」
みなみを腕枕してピロートーク。
事後のみなみは眠そうで、髪を弄ると気持ち良さそうに目を細める。
「眠い?」
「ん、」
「風呂入るから寝ちゃダメだぞ」
「うん…」
とり留めのない話をしながらゆるやかに過ぎるこの時が大好きだ。
ちょっと目を離したらすぐ寝てしまいそうなみなみは猫みたいで、見てると胸の奥がムズムズする。
「…なあ、みなみの初恋ってもしかしてきーちゃんの彼氏?」
「うん…そうだよ」
「…………」
冗談だったのに。
まさかの答えに黙り込む心の狭い俺。
「遥斗の初恋は?」
「…六年生」
「相手は?」
「教育実習の先生」
「ヤダ何かおませ」
「みなみの方がおませだろ。幼稚園で好きだなんだなんて」
「六年生の初恋の方がリアルだもん…しかも教育実習生とか…」
それは相当な驚きだったようで眠そうだったみなみの声がクリアになった。
「じゃあ初めてお付き合いしたのは?」
「中二」
「…初キスは?」
「中二」
「初エッチは?」
「高一」
「………」
拗ねたみなみがモゾモゾ俺に背中を向ける。
「どうしてそっち向くんだよ」
「…眠いから。おやすみ」
「俺ばっかに答えさせてみなみは答えないとかずるくね?」
みなみの初めては全部俺だから本当は知ってるけど…意地悪したくてみなみを突つく。
「初めて付き合ったのは?」
「忘れた」
「初キスは?」
「教えない」
「初エッチは?」
身を乗り出してみなみの顔を覗き込むと闇の中で目が合ったのが分かった。
「……秘密」
「別にいいけど、全部知ってるから」
ハハっと笑ったらやっぱり意地悪だとみなみが枕に顔を埋めた。
「みなみ」
「…知らない!」
からかいすぎたらヘソが曲がってしまった俺のお姫様。
どうしたら機嫌が直るかと考えながらもう少し意地悪してみたいとも思う俺だった。