この作品は18歳未満閲覧禁止です
みんな同じ空の下
第10章 遭遇
ふん、とシバが鼻で笑う。
「なんだ。咬龍団首領を前に怖じ気付いたか」
「まさか。そんなに軟弱に見えましたか?」
リノが挑戦的に笑った。
「ですが、ここからは離れた方が良いでしょう」
「逃げられると、思っているのか?」
シバの言葉に、リノははっとした。
「………なるほど。…これは私には不利ですね」
リノはシバとの距離感もあり、逃げるくらいなら何とか出来ると踏んでいた。しかし今、背後に数人の人間の気配を感じ、それを実行に移すのは難しいと判断した。