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第12章 月夜の泉

「それに悪趣味なのはシバ様の方です。リノは病み上がりなんですよ。大体、警備局の人間と情を交わすなんて何を考えていらっしゃるのですか？…まさか、心奪われたわけではありませんよね？」
「……単なる気まぐれだ」
シバの返事に、レンカが溜め息をついた。
「ならば結構。まあ、リノがシバ様に溺れてくれる分には構いませんけどね。案外、寝返ってくれるかもしれませんし」
「いや、それはないな。そんな安い人間に、単独で拠点を見つけるための捜索をさせるなど警備局が許さないだろう。そのような人間ならば、誰かしら監視役が付くはずだ」
シバの言葉にレンカが更に深く息を吐く。