この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
みんな同じ空の下
第13章 解放と帰還
*
咬龍団の面々が暮らす家を出てから村の入り口までまっすぐ進むと、レンカが腕組みをして背の高い樹の幹に寄りかかりながら立っていた。
「もう、行ってしまうのね。行動が早いこと」
「はい。レンカにもお世話になりました」
「お礼なら、必要ないわ。患者がいれば薬師は誰だろうと助けるものなの」
それより、とレンカがリノの全身を眺める。
「なんで男の格好してるの?せっかく可愛い顔してるのに」
「これがいつもの格好なんです」
「ふーん。まあいいけど」
レンカはそれ以上何も言わず、リノは頭を下げて村を出た。