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みんな同じ空の下
第13章 解放と帰還
「……もう、あの夜のことはお忘れください。今の私は任務中の警備局第二警邏隊所属、キオ・メイという者です。リノ・メイという女は、月夜が見せた幻です」
動揺などしていないかのように、毅然とした態度でリノが言い放ち、部屋から出ようと足を踏み出した、その時。


「俺は、忘れない」


静かに、しかしはっきりと告げられたシバの一言に、リノは心臓が痛むくらいの衝撃を感じた。
全身が、麻痺したように動かない。
この男のそばに、これ以上いてはいけない。
リノは平静を装いながら、足をむりやり動かし、無言で部屋を出た。
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