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みんな同じ空の下
第16章 シバ・スニヤ ~其の壱:怒り~
「…十七年前、実の親に捨てられて浮浪児だった俺は、ある時連日食事にありつけずにいて、気力も尽きて地面に転がっていた。そのまま死ぬはずだった所を、ミトが拾ってくれたんだ。それまでも貧しい花売りで、自分一人で生活するだけでも大変なのに、血が繋がっているわけでもない俺を必死で育ててくれたんだ」
そこまでして、ミトが自分を育ててくれることに感謝しつつも、なぜそこまでしてくれるのかはシバには解らず、ある日思い切って理由を訊くと、単純明快な答えが返ってきた。
「見捨てるなんて、出来なかったから」
ミトは優しさに溢れていたけれど、優しいだけでは生活は出来ない。
暮らしはいつも逼迫していた。
そこまでして、ミトが自分を育ててくれることに感謝しつつも、なぜそこまでしてくれるのかはシバには解らず、ある日思い切って理由を訊くと、単純明快な答えが返ってきた。
「見捨てるなんて、出来なかったから」
ミトは優しさに溢れていたけれど、優しいだけでは生活は出来ない。
暮らしはいつも逼迫していた。