この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
みんな同じ空の下
第18章 雨宿り
「…今のお前は、警備局の任務もなく、男装を解いたリノ・メイだ」
服も晒し布も着けていない今のリノはしなやかで、かつ女性らしい体つきをしている。男と言い切るには無理のある姿だった。
「なぜ、そこまで女であることを拒む」
甘く優しい声音が、リノの鼓膜をくすぐった。
「女では、だめなんです。守られるだけの女では、大切な方を守れないから…」
リノの脳裏に、三年前、舞砂の町で破落戸(ごろつき)に重傷を負わされたハクトの姿が蘇る。
自分に力があれば。
無力な女でなかったなら。
ハクトをあんな目に遭わせることもなかった。
服も晒し布も着けていない今のリノはしなやかで、かつ女性らしい体つきをしている。男と言い切るには無理のある姿だった。
「なぜ、そこまで女であることを拒む」
甘く優しい声音が、リノの鼓膜をくすぐった。
「女では、だめなんです。守られるだけの女では、大切な方を守れないから…」
リノの脳裏に、三年前、舞砂の町で破落戸(ごろつき)に重傷を負わされたハクトの姿が蘇る。
自分に力があれば。
無力な女でなかったなら。
ハクトをあんな目に遭わせることもなかった。