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みんな同じ空の下
第20章 美しき毒花
「…いえ、偶然です。偶然、貴女と…シバが話すところに私が居合わせたのです」
リノは怖さを感じつつも、それを表に出さないように努めた。
「警備局は内部情報を咬龍団に流す伝達役を捜していましたが…、ニナさんがそうだったのですね」
リノの言葉を肯定するかのように、ニナは笑みを深くした。
「流石は警備局の方。シバ様のお顔をご存知なのですね。仰る通り、私は伝達役として咬龍団に警備局の内部情報を伝えています」
笑みを湛えたニナのその表情は大層美しいものであったが、どこか影があり、彼女が只の手弱女(たおやめ)ではないことをリノは悟った。
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