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みんな同じ空の下
第21章 偽りの恋と真実の愛
*
取り調べの為の小部屋から薄暗い地下牢に連れて行かれたニナは、鉄格子に囲まれながら中で大人しく座っていた。
何の刺激もない薄暗い場所にいるせいか、ニナは三年前にシバと出会った時のことを思い出していた。
東嵐の田舎町の酒場で横暴な地方役人相手に媚びを売って、高い酒を呑ませて稼いでいた三年前、ニナはシバに声を掛けられた。
「役人は嫌いか?」
ここ数日、ニナの働く酒場で一人酒を飲む美丈夫は酒場で働く女の目を惹き、ニナも名前だけは知っていたが話す機会はなかった。
だから突然話しかけられたことにも、その内容にもニナは戸惑った。