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第21章 偽りの恋と真実の愛

それでも、生きていくためには稼がなければならない。
両親がおらず、貧しさゆえにまともな教育など受けたこともないニナだが、愛想笑いは得意だった。
怒りを隠して可愛らしく笑って、役人に媚びて高い酒を入れてもらって、少しでも多く金を落としてもらう。
そうやってニナは生きてきた。
目の前の精悍な若い男は、ニナの愛想笑いを見抜き、内に隠していた怒りにも気付いていた。
だが、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。
「…ええ、嫌いです」
ニナの口からは自然と本心が零れた。
「…俺も役人が嫌いだ」
シバが愉しげに口角を上げた。